2007年05月19日

ニュース記事の特徴と構成


英文ニュース記事の構成は、逆ピラミッド型になっています。最も重要な事柄が最初に来て、段落が下がるにしたがって重要度も下がり、補足や関連事項が続きます。

記事の概要は、最初の2、3段落を読めば掴める構成になっていますので、全体を読むか、他の記事に移るかを、そこで決めるのが英字新聞と付き合うコツと言えるでしょう。よほどの暇人でもない限り、隅から隅まで読むなんて到底できませんから。


また英文ジャーナリズムでは、事実の報道だけでなく、その事実の意義や予想される影響を最初に伝える場合も少なくありません。

Biologists Make Skin Cells Work Like Stem Cells
(New York Times )

In a surprising advance that could sidestep the ethical debates surrounding stem cell biology, researchers have come much closer to a major goal of regenerative medicine, the conversion of a patient’s cells into specialized tissues that might replace those lost to disease.

The advance is an easy-to-use technique for reprogramming a skin cell of a mouse back to the embryonic state. Embryonic cells can be induced in the laboratory to develop into many of the body’s major tissues.

If the technique can be adapted to human cells, researchers could use a patient’s skin cells to generate new heart, liver or kidney cells that might be transplantable and would not be rejected by the patient’s immune system. But scientists say they cannot predict when they can overcome the considerable problems in adapting the method to human cells.

卵子を使わず体細胞から万能細胞を作ることに、京大の研究所がマウスで成功したことを伝えるこの記事の1段落目なども、典型的な例です。この記事でも最初の3段落を読めば、この開発が一般社会にとって意味するものは何かという、いちばん重要なところは分かるようになっています。


・情報源の示し方
英米のジャーナリズムでは、惰報源を明確にするというのが原則です。情報源が匿名の場合には、「本人の希望により」等、理由が明示されるのが普通です。それでも、according to analysts (アナリストによると)、well-informed sources said (消息筋によると)、the Japanese government sources said (日本政府筋の話では)といった表現は多く、英字新聞独特のものと言えるでしょう。


・文章全体を修飾する副詞を活用する
上の特徴と関連しますが、以下の副詞も多用されます。allegedly (申し立てによると)、reportedly(伝えられるところによると)、 apparently(見たところでは)、 seemingly(一見したところ)、 purportedly(噂によれば)、 presumably(推定されるように)などです。


・やや誇張した表現で、事実を報道する傾向があります
記事「慰安婦問題で日本は時間稼ぎ」で少し紹介しましたが、靖国神社を Yasukuni war shrine (靖国戦争神社)と表現したりするのがその類です。


・語呂合わせや言葉遊びも用いられます
記事「ネット疲れでオンラインショッピング減速」における Dot Calm などはそのいい例でしょう。これは大衆紙の常套手段です。また、「この寿司には鹿が乗ってるじゃないか」の見出しは英語の定番ジョークが下敷きになっています。


・市民の側に立って権力を監視するという姿勢からか、皮肉や辛辣な表現も使われます


他に、表現上の特徴を挙げるとすれば・・・・・
 

・分詞や分詞構文を多用します
記事「日本北西部で大地震」を参照してください。


・受動態を多用します
記事「タリバーン、韓国の人質で取り引きを迫る」を参照してください。


・結果・目的を表す不定詞を多用します
記事「90年代の日本の首相、宮沢喜一氏死去」で説明しています。


・分割不定詞を多用します
to more accurately determine 〜(もっと正確に規定すると)といった具合に、to と動詞の原形の間に副詞が割って入る不定詞です。なお、この用法は一般的には良い英文とはされていません。


・接続詞や関係詞を省略することがあります


・ハイフンで結ぶ語群の形容詞、名詞、動詞を多用します
上の New York Times の記事でも、2段落目に easy-to-use という形容詞が使われていますね。


・その前の文全体を受ける同格の名詞を多用します
記事「この寿司には鹿が乗ってるじゃないか」の something などが、その例です(太字で示してあります)。「米が制裁解除 北朝鮮発表」の第1段落中盤の move もそうです。


これらはみな英文としての簡潔さを重んじるが故です。以上のことを念頭に置きながら、私たちとしては、5W1H(いつ、どこで、誰が、なにを、なんのために、どうやって〜したのか)を意識して読めば(そのうち意識しないでも読めるようになるものです)、あとは日本語の新聞を読む場合と何ら変わりはありません。コツコツと、気長にに頑張っていきましょう!




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