2010年01月27日

古くなった脳の鍛え方


How to Train the Aging Brain
( New York Times )

Many longheld views, including the one that 40 percent of brain cells are lost, have been overturned. What is stuffed into your head may not have vanished but has simply been squirreled away in the folds of your neurons.

One explanation for how this occurs comes from Deborah M. Burke, a professor of psychology at Pomona College in California. Dr. Burke has done research on “tots,” those tip-of-the-tongue times when you know something but can’t quite call it to mind. Dr. Burke’s research shows that such incidents increase in part because neural connections, which receive, process and transmit information, can weaken with disuse or age.

But she also finds that if you are primed with sounds that are close to those you’re trying to remember ― say someone talks about cherry pits as you try to recall Brad Pitt’s name ― suddenly the lost name will pop into mind. The similarity in sounds can jump-start a limp brain connection. (It also sometimes works to silently run through the alphabet until landing on the first letter of the wayward word.)


【 まずは準備運動 】

・vanish 消える
・fold 折る、折り重ねる、折りたたみ
・neuron 神経細胞(ニューロン)
・transmit 送る、伝える
・prime (銃砲に)火薬を詰める、(ポンプに)呼び水をする
・pit 種
・limp 弱々しい、疲れた



【 泳ぐときには息継ぎしなくちゃ 】

Many longheld views, /
多くの長くホールドされた見方が /

including the one /
一つを含んでいる /

that 40 percent of brain cells are lost, /
脳細胞のの40%が失われている /

have been overturned. /
ひっくり返されてきた /

What is stuffed into your head /
あなたの頭の中に詰め込まれているものは /

may not have vanished /
消えたのではなかった /

but has simply been squirreled away /
しかし単にリスられた /

in the folds of your neurons. /
あなたのニューロンの折りたたみの中に /


One explanation for how this occurs /
これがどのように起こるかについての一つの説明は /

comes from Deborah M. Burke, /
デボラ・M・バークから来る /

a professor of psychology at Pomona College in California. /
カリフォルニアのポメラカレッジでの心理学の教授 /

Dr. Burke has done research on “tots,”/
バーク博士はTOTの研究をしてきた /

those tip-of-the-tongue times /
あの舌の先のとき /

when you know something but can’t quite call it to mind. /
あなたが何かを知っていてしかしはっきりとは心にそれを呼べないとき /

Dr. Burke’s research shows /
バーク博士の研究は示す /

that such incidents increase /
そうした出来事は増えている /

in part because neural connections, /
一部にはニューロンの接続が・・・から /

which receive, process and transmit information, /
情報を受け取り処理し伝える /

can weaken with disuse or age. /
不使用と年齢によって弱くなりうる /


But she also finds /
しかし彼女はまた見出す /

that if you are primed with sounds /
もしあなたが音で呼び水されるなら /

that are close to those /
ものに近い /

you’re trying to remember ― /
あなたが思い出そうとしている /

say /
たとえば /

someone talks about cherry pits /
誰かがチェリー・ピットについて話す /

as you try to recall Brad Pitt’s name ― /
あなたがブラッド・ピットの名前を思い出そうとしているときに /

suddenly the lost name will pop into mind. /
突然失われた名前が心にポンと入るだろう /

The similarity in sounds can jump-start a limp brain connection. /
音における類似性が弱まった脳の接続をジャンプスタートさせうる /

(It also sometimes works /
それもまた時には働く /

to silently run through the alphabet /
静かにアルファベットをランスルーする /

until landing on the first letter of the wayward word.) /
気まぐれな言葉の最初の文字に着地するまで /


【 英語ってどんな海? 】

というわけで今回は、良かれ悪しかれ、皆さんもお持ちの脳のお話です。ボクのもだいぶ古くなってきましたので切実です。話の核心に近づく中盤から取り上げます。

■ squirrel

第1パラグラフ、stuffは「モノ、材料、原料」ですが、動詞で「詰め込む、詰め物をする」。stuffed animalsで「動物のぬいぐるみ」。stuff one's faceと言えば、食べ物でほっぺたが膨らんでいる様子が目に浮かびます。念のため、「職員、部員」の「スタッフ」はstaffです。

squirrelは「リス」です。動詞としても使えて、「(モノを)隠してため込む」。食料をため込む習性に由来するのでしょう。英語の面白いところです。動詞のdogなら「尾行する、つきまとう」、pigなら「がつがつ食べる」、
monkeyなら「いじくる、いたずらする」。経済用語としてのbull(上げ相場)やbear(下げ相場)も動詞になります。

■ tongue

日本語では、人名などが思い出せそうで思い出せないときに「喉まで出かかっている」と言ったりしますが、英語では、

It's on the tip of my tongue.
(それは私の下の先にある)

試訳では、勝手に「喉まで現象」と命名しました。むやみに「饒舌」な人や「口舌の徒」には、英語でこう言うといいでしょう。

Hold your tongue.
(自分の舌を押えておけ)

「黙れ」ということで、tongueも「言葉、言語」になります。mother tongueなら「母国語」です。「ナマムギ、ナマゴメ、ナマタマロ」は、英語で
tongue twisterと言います。

The sixth sick sheik's sixth sheep's sick.
(病気の6番目の長老の6番目の羊が病気だ)

これはギネスブックで一番難しいものと認定されているそうです(ホントなのかなあ)。

■ wayward

第3パラグラフのjump-startは、別の車のバッテリーの力を借りてエンジンをかける方法のことで、転じて「(物事を)活性化させる」。ちょっと違いますが、head startという言葉もあり、こちらは「競争でハンデをもらった有利なスタート」で、これまた転じて「幸先のよいスタート」。これはよく目にします。

最後の文のItは形式主語で、to silently run through… を表しています。
run throughは「走り抜ける」ですが、名詞のrun-throughと言えば、芝居の「通し稽古」。最後までざっとやってみるというわけです。

landは「着地する」。自分が思い出せないのに、相手のせいにして
wayward wordとは笑ってしまいました。waywardは「言うことを聞かない、わがままな、気まぐれな」です。

今日取り上げた部分は、何も科学者に発見してもらうまでもなく、誰でも思い当たるエピソードです(よね)。むしろ、記事の要点は後半にあり、古くなった脳を鍛えるには、既存の慣れ親しんだものとは違う情報や考え方などに積極的に触れて刺激を与えることが一番だそうです。


【 日本の陸に上がってみると 】

古くなった脳の鍛え方
( New York Times )

多くの定説の中には脳細胞の40%は失われるというのもあるのだが、これらの説が打ち消されている。頭の中に詰め込まれたものは消えてしまうのではなく、ニューロンの襞の中に隠されているだけではないかという。

この仕組みを説明する一人がカリフォルニア州ポモナ・カレッジの心理学教授デボラ・バーク氏だ。バーク博士はいわゆる「喉まで現象」、分かっているのにはっきりと思い出せない現象を研究している。博士によれば、この現象が増える原因の一つは、情報を受容し、処理し、伝達する神経結合が不使用や加齢によって弱くなるからだ。

だが、博士のもう一つの発見によれば、思い出そうとしているものに近い音 ―例えば、ブラッド・ピットの名前を思い出そうとしているときに、誰かが口にしたチェリー・ピット(さくらんぼの種)という音― が加えられると、それまで失われていた名前が頭にひょいと浮かぶことがある。音の類似性によって、弱った脳の結合が活性化されるという。(場合によっては、声を出さずにアルファベットを読み上げて、へそ曲がりな単語の最初の文字に辿り着くまで待ってもいい)


【 もう一度、泳ごう 】

How to Train the Aging Brain
( New York Times )

Many longheld views, including the one that 40 percent of brain cells are lost, have been overturned. What is stuffed into your head may not have vanished but has simply been squirreled away in the folds of your neurons.

One explanation for how this occurs comes from Deborah M. Burke, a professor of psychology at Pomona College in California. Dr. Burke has done research on “tots,” those tip-of-the-tongue times when you know something but can’t quite call it to mind. Dr. Burke’s research shows that such incidents increase in part because neural connections, which receive, process and transmit information, can weaken with disuse or age.

But she also finds that if you are primed with sounds that are close to those you’re trying to remember ― say someone talks about cherry pits as you try to recall Brad Pitt’s name ― suddenly the lost name will pop into mind. The similarity in sounds can jump-start a limp brain connection. (It also sometimes works to silently run through the alphabet until landing on the first letter of the wayward word.)


● 続き? 後は自力で英語の大海へ泳ぎ出そう。溺れても命は取られないからダイジョーV!
(古っ)
 ↓ ↓ ↓
http://tinyurl.com/yar9326


● 編集後記

どちらかと言えば几帳面な性格だったはずなのに、テレビの録画予約を忘れたり、買い物で頼まれたものをうっかりしたりと、そんなことが頻繁に起こるようになりました。コレハマズイ、オノレハボケテキタノダと、悲しいながらも事態の変化を冷静に受け止めるようになってからは、だいぶ減りました。
脳の中身って変わるものなのだなあと、痛感した次第です。



posted by K.Andoh | Comment(0) | TrackBack(0) | 科学
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