2009年12月16日

人間は助け合うために生まれてきた


We May Be Born With an Urge to Help
( New York Times )

What is the essence of human nature? Flawed, say many theologians. Vicious and addicted to warfare, wrote Hobbes. Selfish and in need of considerable improvement, think many parents.

But biologists are beginning to form a generally sunnier view of humankind. Their conclusions are derived in part from testing very young children, and partly from comparing human children with those of chimpanzees, hoping that the differences will point to what is distinctively human.

The somewhat surprising answer at which some biologists have arrived is that babies are innately sociable and helpful to others. Of course every animal must to some extent be selfish to survive. But the biologists also see in humans a natural willingness to help.


【 まずは準備運動 】

・theologian 神学者(theology:神学)
・warfare 戦争、交戦状態、戦闘行為
・distinctively (他と)区別して、独特に
・extent 広さ、大きさ、程度、限度



【 泳ぐときには息継ぎしなくちゃ 】

What is the essence of human nature? /
人間の性質のエッセンスは何なのか /

Flawed, /
欠陥がある /

say many theologians. /
多くの神学者は言う /

Vicious and addicted to warfare, /
悪で戦争に中毒させられている /

wrote Hobbes. /
ホッブスは書いた /

Selfish and in need of considerable improvement, /
利己的で考慮すべき改良の必要の中で /

think many parents. /
多くの親は考える /


But biologists are beginning /
しかし生物学者たちは始めている /

to form a generally sunnier view of humankind. /
一般的に人類のもっと明るい見方を形作ることを /

Their conclusions are derived /
彼らの結論は引き出される /

in part from testing very young children, /
一部分においてとても若い子供たちをテストすることから /

and partly from comparing human children with those of chimpanzees, /
そして一部分的において人間の子供とチンパンジーのそれを比べることから /
hoping /
望みながら /

that the differences will point / /
違いは指し示すだろう /

to what is distinctively human. / /
独特に人間的らしいものに /


The somewhat surprising answer /
やや驚くような答えは /

at which some biologists have arrived /
いくらかの生物学者たちが到達した /

is /
だ /

that babies are innately sociable /
赤ちゃんたちは生来社交的だ /

and helpful to others. /
そして他者への助けになる /

Of course /
もちろん /

every animal must to some extent be selfish to survive. /
すべての動物はある程度までサバイバルするために利己的であるに違いない /

But the biologists also see in humans /
しかし生物学者はまた人間に見ている /

a natural willingness to help. /
自然な助けるための積極的な気持ちを /


【 英語ってどんな海? 】

先日、ノーベル平和賞の授賞演説でオバマ大統領が、「平和を維持するためには戦争という手段に訴えることが必要な場合もある」と言っていました。というわけで今回は、生物学の立場から大統領を擁護しているような記事を取り上げます。

■ nature

natureは「自然(界)、物質界、性質、本質」で、3段落目には形容詞のnaturalが出てきます。「自然に作られた」ですから、「生まれつきの、生まれながらの」という意味にもなります。ちなみに、nature's call(自然の呼びかけ)があった場合はおトイレに行きましょう。

flawは「欠陥、欠点、ひび、傷」のことで、flawedはその形容詞です。その反対の望ましい状態がflawlessです。いずれもよく使われます。

viciousは「悪しき、悪性の、悪意のある」で、vicious circleと言えば「悪循環」。名詞がvice(悪、悪徳)で、その反対がvirtue(美徳)。英語の試験に思い切り出てきそうな単語です。

addictは「(悪いことに)ふけらせる、中毒させる」。または名詞で「(麻薬などの)中毒者」。drug addictでそのものズバリ。今年の日本の芸能界はこの話題で大騒ぎでした。

ホッブズ(Hobbes)はイギリスの哲学者で、人間の自然状態は闘争状態にあると規定したみたいです。著書は『リバイアサン』『哲学言論』。「みたい」ですから、もちろん読んだことはありません><

considerは「考慮する」で、その形容詞のconsiderableが「考慮すべき」。そこから、考慮しないといけないほど「(数・量・程度が)大きい」という意味にもなります。

■ derive

2段落目のderiveは「(本源から)引き出す、得る、由来・起源をたどる」。これとよく似た紛らわしい語にdepriveというのがあります。こちらは「奪う、取り上げる」

この部分は、are derived in part from… and partly from… という形になっています。in partとpartlyは同じです。やはり英語は同語反復が嫌いなようです。

■ willingness

3段落目の最後のsee… 以下は、in humansが前に出てきています。意味的に重要なのは、a natural willingness… の方ですね。文の着地がビシッと決まったようなカッコよさがあります(旧情報から新情報へで、文章はスムーズに流れます)。

willingnessは、be willing to do…(進んで・・・する)でおなじみのwillingの名詞形です。英語は意味の担い手として名詞が力持ちですから、後ろからも前からも修飾します。これをそのまま訳すとコテコテの翻訳調になることが多々。1段落目も含めて、試訳はそんな考えで読みほどいています。

記事によると、1歳半の子供でも、手がふさがっていてドアを開けられない、あるいは洗濯ばさみを落とした大人がいたら、たとえ自分の親ではなくても、また誰に教わったわけでもないのに、手を差し伸べるとありました。

大昔の人間は狩猟で暮らしていた。そのためには皆で力を合わせなければならない。だから人間には元来、協力的な性質が備わっているというのが記事の趣旨です。

人間社会の基礎を成すものとして、shared intentionalityという言葉が出てきます。「指向性の共有」ぐらいでしょうか(intentionは「意図」)。それを乱すものがいると、種としての生存が脅かされる。人間の本質は協調性にあるからこそ戦争が起こる。何やら逆説めいた話ですが、それが生物学的な立場から見た「正しい戦争」のようです。


【 日本の陸に上がってみると 】

人間は助け合うために生まれてきた
( New York Times )

人間性の本質とは何か。不完全性だと言うのは、多くの神学者だ。悪徳と戦争中毒にある、と書いたのはホッブスだった。わがままな存在だから、大幅に改善しなければならないと考えるのは、あまたの親たちだ。

だが現在、生物学者たちが構築し始めているのは、概してもっと明るい人間観だ。その結論を導き出すのは、ひとつには幼い子供たちの実験であり、ひとつには人間とチンパンジーの子供の比較であり、両者の違いが人間に独自の性質を指し示すと期待している。

一部の生物学者たちが達したやや驚くべき答えとは、赤ん坊は生来社交的で、他者に協力的な存在だというものだ。もちろん、どんな動物も生存のためには少なからず利己的には違いない。だが生物学者たちは、人間には生まれつき協力をいとわない性質もあると見ている。


【 もう一度、泳ごう 】

We May Be Born With an Urge to Help
( New York Times )

What is the essence of human nature? Flawed, say many theologians. Vicious and addicted to warfare, wrote Hobbes. Selfish and in need of considerable improvement, think many parents.

But biologists are beginning to form a generally sunnier view of humankind. Their conclusions are derived in part from testing very young children, and partly from comparing human children with those of chimpanzees, hoping that the differences will point to what is distinctively human.

The somewhat surprising answer at which some biologists have arrived is that babies are innately sociable and helpful to others. Of course every animal must to some extent be selfish to survive. But the biologists also see in humans a natural willingness to help.


● 続き? 後は自力で英語の大海へ泳ぎ出そう。溺れても命は取られないからダイジョーV!
(古っ)
 ↓ ↓ ↓
http://tinyurl.com/ycxx45s


● 編集後記

元記事に、小さい女の子が洗濯ばさみか何かを大人に手渡している写真が載っています。カワイイなあ〜。生物学的性善説、信じちゃいます。見出しの訳にはそんな気分が充満しております♪



posted by K.Andoh | Comment(0) | TrackBack(0) | 科学
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