2009年08月25日

パンナム機爆破犯の釈放に疑惑


New Questions in Lockerbie Bomber’s Release
( New York Times )

In the wake of the sole convicted Lockerbie bomber’s return to a hero’s welcome in Tripoli, questions intensified in Britain on Friday as to whether lucrative Libyan oil contracts were as much a factor in his release as compassion for a dying man.

The bomber, Abdel Basset Ali al-Megrahi, suffering from terminal prostate cancer, was freed from a Scottish prison on Thursday and flown home in a V.I.P. jetliner to scenes of jubilation in Libya that were broadcast around the world, angering many in Britain and America, including President Obama.

Although there was no firm evidence of any quid pro quo between
Britain and Libya, the British government acted vigorously on Friday to defend itself against accusations that it paved the way for the Libyan’s release to promote British-based oil companies’ hopes of securing pole position in the international contest for new Libyan oil concessions.


【 まずは準備運動 】

・convict 有罪判決下す、受刑者、罪人
・intensify 強くする・なる(intense:激しい)
・compassion 哀れみ、同情
・jubilation 歓喜、祝賀
・vigorously 精力的に(vigor:活力、気力)



【 泳ぐときには息継ぎしなくちゃ 】

In the wake of the sole convicted Lockerbie bomber’s return /
唯一の有罪判決を下されたロッカビー爆破犯人の帰ることに続いて /

to a hero’s welcome in Tripoli, /
トリポリでのヒーローの歓迎に /

questions intensified in Britain on Friday /
疑問が英国で金曜日に強まった /

as to whether lucrative Libyan oil contracts /
もうかるリビアの石油の契約が・・・かどうかに関して /

were as much a factor in his release /
彼の釈放において大きな要因だった /

as compassion for a dying man. /
死にゆく男のための同情ほどに /


The bomber, /
爆破犯人は /

Abdel Basset Ali al-Megrahi, /
アブデルバゼット・メグラヒ /

suffering from terminal prostate cancer, /
最終的な前立腺がんから苦しんでいる /

was freed from a Scottish prison on Thursday /
木曜日にスコットランドの刑務所から自由にされた /

and flown home in a V.I.P. jetliner /
そしてビップのジェットライナーにおいて飛ばされた /

to scenes of jubilation in Libya /
リビアにおける歓喜のシーンに /

that were broadcast around the world, /
世界中で放送された /

angering many in Britain and America, /
英国や米国において多くを怒らせながら /

including President Obama. /
オバマ大統領を含んでいる /


Although there was no firm evidence /
確かな証拠はなかったのだが /

of any quid pro quo between Britain and Libya, /
英国とリビアの間のいかなる見返りについての /

the British government acted vigorously on Friday /
英国政府は金曜日に精力的に行動した /

to defend itself against accusations /
非難に対して自分自身を守るために /

that it paved the way for the Libyan’s release /
それはリビア人の釈放のための道を舗装した /

to promote British-based oil companies’ hopes /
英国に拠点を置いた石油会社の願いを促進するために /

of securing pole position in the international contest /
国際的な競争においてポールポジションを確保するという /

for new Libyan oil concessions. /
新しいリビアの石油の権利のために /


【 英語ってどんな海? 】

というわけで今回は、日本ではあまり報じられていない出来事についての記事を。

■ lucrative

第1パラグラフ最初のin the wake of…のwakeは、「船が通った後にできる水面の波紋、航跡」のことで、全体で「・・・に続いて、後を追って」。これは時事英語によ〜く出てきます。

hero’s welcomeはもちろん「ヒーローが歓迎すること」ではなくて、「ヒーローが歓迎されること、ヒーローとして歓迎されること」です。英語の名詞は機能的になんとも融通無碍で、能動と受動の二つの意味を同時に持っていたりします。頭に入れておくと、混乱しないで済みますよ。

何度も申してきましたが、英語というのは名詞中心の発想なので、名詞にぽんぽんと修飾語を付けて、簡潔に文を作っていきます。スラッシュ訳で分かると思いますが、この最初の文も典型ですね。

lucrativeは「儲かる、利益になる」、場合によっては、今どきの言葉で「オイシイ」と訳すといいかもしれません。これも英語の試験などで必須でしょう。

as much A as Bは学校英語でおなじみですね。「Bと同じぐらいにAな」。

V.I.P.は「ビップ、要人」ですが、very important personの略語ですので念のため。

■ quid pro quo

第3パラグラフのquid pro quoは「something のためのsomething」、「あれのためのこれ」という意味のラテン語だそうです。試訳ではどうも座りが悪いので「密約」としてしまいましたが、正確には「交換条件、(同等の)見返り」。映画でも大ヒットした『羊たちの沈黙』の中で使われて流行った言葉だと、ボクの辞書の欄外に走り書きがありました。

accusationは「非難、告訴、告発(された罪)」で、これは時事英語に超必須ですね。動詞のaccuse A of…で、「Aは・・・だと非難する」でした。

pave the wayのpaveは「舗装する」で、「舗装道路、舗道」ならpavementです。元の記事には、open the wayやclear the wayという言い回しも出てきますが、意味はどれもほぼ同じです。英文記事は同じ言葉の反復を嫌うという一例です。

promote(促進する、助長する)の目的語はhopeですね。こういうつながりもありなのかあ・・・。

pole positionはレース用語で「ポールポジション」、つまり、予選で1位になったドライバーがもらえる決勝レースでの最前列の一番内側の位置、そこから一般的に「有利な位置」の意味で用いられるわけです。

concessionは「譲歩(して与えた権利、土地など)」。動詞がconcedeで、これも覚えておいたほうがいい単語です。

米パンナム機爆破事件の詳細については、ウィキペディアのURLにてどうぞ↓

http://tinyurl.com/m35939


【 日本の陸に上がってみると 】

パンナム機爆破犯の釈放に疑惑
( New York Times )

ロッカビー(上空でのパンナム機)爆破犯として唯一有罪判決を受けた人物の帰国がトリポリで英雄のように歓迎されたことを受けて、英国では金曜日、疑問の声が大きく上がった。この釈放の実現には、高収益が見込めるリビアとの石油契約という要因が、死を間近にした男への同情に劣らず強く働いたのではないかというのだ。

末期の前立腺がんを患っている爆破犯アブデルバゼット・メグラヒは木曜日、スコットランドの刑務所から解放され、要人用のジェット旅客機でリビアに帰国した。歓喜で迎えられたその光景は世界中に放送され、英米の多くの市民やオバマ大統領を激怒させた。

英国とリビアの間で密約が交わされたという確固たる証拠はないが、英国政府は金曜日、躍起になって弁解した。同政府はこのリビア人の釈放に道筋をつけることで、新しいリビアの石油利権をめぐる国際競争で有利な立場を確保したいと望んでいる英国系石油会社を後押ししたと非難されているからだ。


【 もう一度、泳ごう 】

New Questions in Lockerbie Bomber’s Release
( New York Times )

In the wake of the sole convicted Lockerbie bomber’s return to a hero’s welcome in Tripoli, questions intensified in Britain on Friday as to whether lucrative Libyan oil contracts were as much a factor in his release as compassion for a dying man.

The bomber, Abdel Basset Ali al-Megrahi, suffering from terminal prostate cancer, was freed from a Scottish prison on Thursday and flown home in a V.I.P. jetliner to scenes of jubilation in Libya that were broadcast around the world, angering many in Britain and America, including President Obama.

Although there was no firm evidence of any quid pro quo between Britain and Libya, the British government acted vigorously on Friday to defend itself against accusations that it paved the way for the Libyan’s release to promote British-based oil companies’ hopes of securing pole position in the international contest for new Libyan oil concessions.


● 続き? 後は自力で英語の大海へ泳ぎ出そう。溺れても命は取られないからダイジョーV!
(古っ)
 ↓ ↓ ↓
http://tinyurl.com/mm839j


● 編集後記

昨日の甲子園の決勝戦は凄かったですね。そのせいもあって、配信が一日遅れてしまいました。次号は木曜日に、復習号は土曜日にお届けします。



posted by K.Andoh | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。